記憶障害     

人の名前が思い出せなくなった
しまい忘れが多くなった

お金が無くなったと大声で騒ぐ
いつもはしめているトイレの蓋を閉め忘れるようになった
処方された薬の量がどうもあわない
家で何もせず、じっとしていることが多くなった



痴呆の原因

加齢に伴う物忘れ
脳血管性痴呆
アルツハイマー型認知症
前頭側頭型痴呆
レビー小体型痴呆
脳腫瘍

など

3)前兆症状に注意!認知症の6つの予兆とは

(1)もの忘れがひどい

今切ったばかりなのに電話の相手の名前を忘れる

同じことを何度も言う・問う・する

しまい忘れ置き忘れが増えいつも探し物をしている

財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う

(2)判断・理解力が衰える

料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった

新しいことが覚えられない

話のつじつまが合わない

テレビ番組の内容が理解できなくなった

(3)場所・時聞がわからない

約束の日時や場所を間違えるようになった

慣れた道でも迷うことがある

(4)人柄が変わる

些細なことで怒りっぽくなった

周りへの気づかいがなくなり頑固になった

自分の失敗を人のせいにする

「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた。

(5)不安感が強い

ひとりになるとこわがったり寂しがったりする

外出時持ち物を何度も確かめる

「頭が変になった」と本人が訴える

(6)意欲がなくなる

下着を替えず身だしなみをかまわなくなった

趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった

ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる

物忘れが激しい5大原因!チェックすべき病気と前兆とは


1)物忘れが激しい症状に潜む8つの病気とは

(1)アルツハイマー型認知症

脳が萎縮し、神経細胞が急激に減ることによって発症します。徘徊、過食、睡眠障害、暴力などの異常行動を伴います。原因はよく分かっておらず、初期の段階で発見すれば、進行を遅らせることができますが、完治はできません。男性よりも女性に多く見られます。また脳血管性の認知症などの患者数が横ばいであるのに対して、増加の傾向があるとの報告があります。

(2)脳血管型認知症

脳の動脈硬化、脳出血、脳梗塞など、脳障害が原因の大半となる認知症です。頭痛やめまいなどを伴い、やる気がなくなり、急に物忘れが激しくなります。強いストレスや脳卒中の後遺症などで発症することもあります。男性の方が女性よりも多く発症し、よくなったり悪くなったりを繰り返し進行します。

(3)レビー小体型認知症

アルツハイマー型が、女性の発症率が高いのに比べ、レビー小体型は男性の方が多く、女性の約2倍と言われています。レビー小体とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質です。レビー小体型認知症では、レビー小体が脳の大脳皮質(人がものを考える時の中枢的な役割を持っている場所)や、脳幹(呼吸や血液の循環に携わる人が生きる上で重要な場所)にたくさん集まってしまいます。レビー小体がたくさん集まっている場所では、神経細胞が壊れて減少している為、神経を上手く伝えられなくなり、認知症の症状や、幻視、パーキンソン症状(手足のふるえ、筋肉のこわばりなど)が起こります。

(4)前頭側頭型認知症

前頭葉や側頭葉が委縮して起こる認知症です。前頭側頭型認知症とは、若年性認知症など若い人でも発症する認知症で、頭の前にある前頭葉と横にある側頭葉の委縮によって認知症が起こります。

(5)若年性認知症

18歳〜64歳で発症した場合、若年性認知症と呼ばれます。発症年齢が若いほど、進行が早いです。

 (6)若年性健忘症

MRIなど、脳の検査では診断できない物忘れで、うつやストレスなどが原因になったり、頭を使うことが少ないと発症したりします。人の話している事が理解できなかったり、聞いた事もすぐに忘れてしまうなどの症状が顕著に現れます。この他には、日にちや曜日など同じ事を何度も尋ねたり、食べたものを思い出せないなど、加齢による「もの忘れ」ともよく似ています。

(7)老人性うつ病

引越しや配偶者の死など、環境が大きく変わったときに起きやすいのが、老人性うつ病です。「もう何もしたくない」「何もわからない」といったり、食欲がなくなるなどの症状があります。若い世代のうつ同様、薬による治療が可能です。

(8)脳梗塞

脳の血管が極度に狭くなったり、詰まってしまうことで、脳に栄養や酸素が届かなくなり、脳細胞や脳の組織が部分的に死んでしまうのが脳梗塞です。典型的な症状として、物忘れや記憶が飛ぶことがあります。

2)どうして物忘れが?物忘れが激しい症状の5大原因とは

(1)脳の老化

物忘れの原因の多くは「加齢」だといわれています。脳の細胞は年齢を重ねるごとに減少していき、活動領域が減ってしまうのです。実はこの脳の老化は20代から始まっています。20代を境に脳細胞は減少していき、それに伴って記憶力も低下していきます。さらに、仕事から引退して刺激が少なくなる60代になると、記憶力に加えて、判断力や適応力なども鈍くなってしまうため、物忘れが起こりやすくなってしまうのです。

(2)病気によるもの

人の名前どころか、その人と自分の続柄や関係がわからなくなってしまうのは、病気による物忘れです。「他人の名前をうっかり忘れる」、「昼食に食べたものが思い出せない」などといった短期記憶の物忘れは、記憶力や集中力、注意力の低下など、脳の老化が原因で、病気による現象ではありません。病気が原因の物忘れは、さらに記憶の深い部分で物忘れの現象が起きます。今日の昼食に何を食べたかを忘れるのが脳の老化による物忘れであるのに対し、そもそも昼食を食べたか食べなかったかが思い出せなくなるのが、病気による物忘れといえるでしょう。

(3)ストレス

一般的に、ストレスが溜まっているときは、忘れっぽくなりがちだといわれています。ストレスがある状態というのは集中力が落ちやすく、結果的に目の前で起こっていることに対する理解力や記憶力も落ちるので、物忘れが起きやすいのです。さらに、強いストレスにさらされた状態が続くと、記憶がきちんと作られなくなることもあります。

記憶は脳の海馬で作られ、電気信号で脳内の保管庫に留まるのですが、ストレスがあるとそこに別の信号が介入してしまい、記憶がきちんと作られなくなってしまうのです。過度の緊張やプレッシャーがあるときには、「頭が真っ白になって覚えていない」という経験があるのではないでしょうか。この環境が継続すると、うつ病から認知症へ進行する可能性もあります。

(4)睡眠不足

人間は寝ているとき、その日に使った脳や肉体の疲れを回復させています。質の高い睡眠を取れないと、身体の疲れが回復しないばかりか、脳が記憶の整理や脳細胞の修復などを行えません。特に、脳の大切な器官である「海馬」を衰えさせる大きな原因となるのです。海馬とは、脳に存在する、記憶をつかさどる部分のひとつです。人が目や耳からキャッチした情報は大脳皮質に送られ、その後は海馬に送られます。

海馬が衰えると、短期記憶に障害が生じ、古い出来事は覚えているけれども、新しい出来事が覚えられないといった物忘れの典型的な症状が現れます。また海馬は脳の中でもかなりデリケートな部分で、強いストレスや、脳に強い衝撃が加わったりするだけでも、海馬の神経細胞はすぐに死んでしまうといわれています。睡眠不足で脳細胞が修復できない状態が続くと、結果的に海馬がダメージを受けることになり、脳の働きが低下するのです。

(5)食生活の欧米化

昔の日本人はほとんど肉を食べず、マグロ、サバ、ブリなどの青魚を積極的に食べていました。この食生活であれば、脳の働きをよくするDHAやEPAが適度に摂れ、脳の劣化を防ぐことができたのですが、現代の食生活の欧米化により脂質・飽和脂肪酸・コレステロールを摂りすぎてしまうことがあります。これらを摂りすぎることによって、認知症のリスクを高める、という報告があるのです。